アプローチウェッジが広く使われるようになったのが1980年代半ば。ところが最近ではここにもう1本加わって、ウェッジ4本というセッティングが当たり前になりつつある。先の全米オープンでも、本選出場全選手のうちウェッジ4本派は25人(ダレル・サーベイ調べ)にものぼった。
10年前の全米オープンではウェッジ4本派は5人。それが今回25人だから、明らかに大幅増で、その大きな理由は2つ考えられるというのはウェッジに詳しいクラブ設計家の竹林隆光氏。
「まず第一にアイアンのストロングロフト化が進んだこと。当然ピッチングウェッジも立ってきているわけで、その結果、ウェッジ3本ではロフトピッチが開きすぎてしまうので、もう1本入れるというのがひとつ」
実際、プロのアイアンでも10年前に比べたらロフトは完全に1番手は立ってきている。そのため、ピッチングとサンドの間に2本のウェッジを入れてギャップを埋めようという考え方だ。あるいは、サンドの下にロブショット用として60度から62~63度を加えるというケースもある。ミケルソンやシンがこの例だ。
第二には、球の高さとの関係が考えられるという。
「アイアンの溝に関する新ルールが適用されて止まりにくくなったと言われるけれど、それでも10年以上前のウェッジに比べたら確実にスピンはかかりやすくなっている。スピンがかかるウェッジというのはどうしても球が低く出やすい。これをカバーする目的で、ロフトが多めのウェッジを充実させるというプロが増えているのは事実です」
自分がイメージしているよりも球が低いと、正確なアプローチがしにくくなる。イメージ通りの高さを得るためにウェッジを4本にするというわけだ。
では、アマチュアにとってはどうなんだろうか。
「もっともわかりやすいのはピッチングウェッジのロフトで、45度程度かそれよりも立っていたら4本のほうがグリーン回りは確実に楽になるでしょうね。4番や5番アイアンを抜いて、その代わりウェッジを4本にすることをお勧めします」(竹林氏)
なおこの場合のロフトは、1本目のAWが48~49度、2本目が52~53度、そしてサンドウェッジは57~58度といったあたりを目安にするといいそうだ。
実際、ゼクシオをはじめアベレージクラスに人気のある飛び狙いのアイアンはピッチングウェッジが44~45度というのが少なくない。飛びに加え、4本ウェッジでグリーン回りが楽になればスコアがまとまるのは十分にあり得そうといえる。
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