日医工女子オープンの2日目、天沼知恵子が左ひざ裏を蜂に刺されるというアクシデントがあった。天沼は応急処置をしてプレーを続行、次のホールでイーグル奪取の離れ業を演じた。夏場は虫が多くなる時期。虫刺され最新の予防と対処法を考えてみよう。
「(同伴の)米山さんが、次のティグランドで針を絞り出そうとしてくれたが、針は見つからず。その後、看護師さんが来て消毒と、薬を塗ってくれ、冷やしてくださいとアイスパックを渡されました。
試合後、医者に行ったが、ドーピングがあるので注射はできず、薬を塗ってもらった。集中していたのでショットに支障は無かったが、翌日は腫れたので、グリーン上でしゃがむ姿勢がきつかった」と天沼。
ゴルファーなら天沼のような虫刺されにいつ遭遇するかわからない。そこで「ムヒ」で知られる池田模範堂のくすり情報室の佐々木康之氏に最新の対策と対処法を聞いた。
蚊やブヨなどの吸血性害虫の予防法で効果が期待できるのが虫除け剤の塗布。
「吸血害虫の多くは、人間の出す炭酸ガスを感知して寄ってきますが、虫除け剤に含まれる『ディート』という成分が虫の触覚に作用し、この感知機能をなくして虫を寄せ付けなくさせます」(佐々木氏)。効果は6時間程度だが、夏場は汗で流れやすいので塗り直すとよい。
一方、蜂など吸血性のない虫には虫除け剤の効果はないという。そこで最大の防御法は肌の露出を避けること。蜂は黒い色に反応するというから、やはり服装は重要だ。
刺されてしまったら、(1)毒(針)を吸い出す、(2)患部を水洗いする、(3)薬を塗る、(4)患部を冷やす、(5)痛むときは医者に見せる、でこれはブヨや蜂などに共通。天沼の場合もほぼこの流れだった。
注意するのは(1)で、毒を口で吸い出した場合は必ず吐き出す。毒を吸引する「ポイズンリムーバー」という器具を携行するのもよい。(3)の塗り薬は「1本選ぶとしたら、ステロイドが入ったものが炎症を抑える効果があるのでいい。ステロイドといっても弱いものなので副作用の心配ありません」(佐々木氏)
たかが虫刺されと侮ると、あとでとんでもないことになりかねない。プレー前の予防を欠かさず、刺されたときは的確な処置を心がけたいものだ。
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