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耐えるのは苦痛だけど、なんとかできるようになったC・カーが大躍進
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全米女子オープンではポーラ・クリーマーに優勝を譲ったが、宮里藍を抜いて世界ランク1位を争うクリスティ・カー。すでにシーズン2勝を挙げ“強いアメリカ”復権を目指すカーの強さの秘訣とは――?
実は32歳のカー、今シーズン開幕前こう語っている。
「本気で私は世界ナンバーワンになれると思っています。今まさにゴルフ人生のピークに差しかかっている、という実感があります」
その言葉通りメジャー第2戦のLPGA選手権に優勝して藍からナンバーワンの座を奪還。「人生を賭けた夢」を実現させた。
彼女が「今まさにゴルフ人生のピーク」と胸を張るのにはワケがある。
ジュリ・インクスターや、男子のビジェイ・シン(フィジー)が師事していることで知られる心理学者のジョセフ・ペアレント博士の指導を受け、精神面を強化したことが長年の夢=世界ナンバーワンを実現した原動力になっているというのだ。
「性格的にすごく負けず嫌いで強気。とにかく攻めていくことばかり考えてしまうのが私という人間。でもメジャーのようなタフなセッティングでは、どれだけ忍耐強くプレーできるかが重要。私にとって“耐える”のは苦痛だけれど、最近は必要な局面でそれができるようになりました」と本人。
ペアレント博士は2002年に日本でも出版され話題になった『禅ゴルフ』の著者。禅的な考え方をわかりやすく解説する同氏はカーにも忍耐力の必要性を説き、こらえ性がなかった彼女に“我慢”する術を伝授した。
そういえば宮里藍の快進撃の裏にもメンタルコーチのピア・ニールソンとリン・マリオット、両女史の存在がある。技術レベルの高いプロの世界では、やはりメンタルの強さが勝敗の鍵を握るということ。
その藍とカーは普段から仲が良い。
「アイみたいなナイスガールがツアーに増えると良い。私たちは友達であり良きライバル。アイが勝てば私も一緒に喜び、私が勝てばアイが一緒に喜んでくれます」(カー)
仲が良くても試合となれば真剣勝負。カーと藍の世界ランク1位をめぐる攻防戦はこれからも続く。
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