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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 8/3号
2010/7/26更新

100億かけてパブリックへ転進する
千葉のゴルフ場の皮算用


今の時代、法人会員制としては立地条件が悪かった?

 千葉県長生郡にあるデイスターGCは一般には馴染みが薄い法人主体の会員制ゴルフ場。同コースは来年3月末日をもって法人制クラブを解散、翌月からパブリックで運営することになる。そして、その処理に当たっては4,000万円もの高額な預託金を、請求に応じて速やかに全額返還する予定だという。

 デイスターGC(27ホール)はバブル期の1990年開業。預託金額は4,000万円と高額だった。ただし、正会員はすべて法人で、ピーク時には約470社が入会していた。

 しかし、時代は変わり、法人も会員権を持つ必要も余裕もなくなった。そのため会員は次第に減り、現在は約260社。会員利用も全体の5%強にとどまる。そのためコース側はクラブの解散を求め、来年4月から新たにパブリックとして再出発する道を選んだ。

 それにしても4,000万円の預託金を一括返還とは。260社として返還総額は104億円にも上る。
「親会社が大林組ですので、企業としての社会的責任、そしてブランドイメージを守るためにもそうさせてもらいました」と同GC。

「今の時代、法人相手とするにはちょっと遠すぎますね。でも、メンバーさんへの責任上、高級クラブの運営方針を変えるわけにはいきませんから、解散は仕方なかったのでしょう。ただ、全額返還は素晴らしい対処だと思います」
と語るのは東京・都心で会員権を扱う加賀屋ゴルフの前田信吾社長だ。

 ところで、預託金を一気に返還した例はほかのゴルフ場でもあるのか。
「住友商事が撤退し、現在は他の会社がパブリックで運営しているイーストウッドCC(栃木)やマオイGL(北海道)。同じく東急系列だった思い川GCなどは、同様の返還をしています。やはり大企業にしかできないことでしょうね」(前田氏)

 デイスターGCは来春からは大林組が所有し、「パブリックとしては高級なコースとして運営する予定です」という。

 預託金を一括返還、綺麗に清算すれば、イメージを一新して新しいスタートが切れるということだろう。

 
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