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左手を固定して右手だけで打てる長尺パターが奏功
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英米のシニアオープンを2週連続で制覇したベルンハルト・ランガーは今季チャンピオンズツアーですでに5勝(8月29日現在)。賞金ランキングでもトップに立ち、同ツアー3年連続賞金王も見えてきた。そんなランガー快進撃の原動力は好調なパットにあった。
8月30日時点でパーオン時の平均パット数は1.729で6位。ランガーは20代初めからこれまで4度のイップスに襲われてきた。パッティングで2度打ちしたこともあったし、OKの距離を数メートルもオーバーしたこともあった。
それでも、そのたびに工夫と努力で克服してきた。極太グリップにしたりクロスハンドにしたり、さらには左右の手の位置を離し、右手はシャフトの部分を握るスプリットグリップを採用したこともあった。
この間、長くても6~7年するとイップスは決まってやってきた。だがこの15年、ピタリと鎮静している。1996年に長尺パターに換えたことがその要因のひとつと見るのは、クラブ設計家の山代谷哲男氏だ。
「長尺は左手を固定し、極端に言ったら右手だけでストロークする。左手首を殺せるので、ショートパットでも打ちすぎることがない。また、パター全体の慣性モーメントが大きいからよけいな動きを加えにくい。イップスの対処法としては有効」
ランガーがこれまでに試みた方法はすべて、左のリストを使えないようにするのが目的。これなら長尺がハマるのも納得というもの。
現在愛用しているのはオデッセイのホワイトホット2ボールロング。“回春効果”絶大の長尺パターとの出会いにより、まだまだ勝利を積み重ねていきそうだ。
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