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週刊ゴルフダイジェスト 10/5号
2010/9/24更新

米ツアーには「賞金王」が二人いる!
「プレーオフ」の複雑な仕組みを教えましょう


プレーオフのランク、賞金ランクでもともに1位のクーチャー。このまま突っ走れるか

 米PGAツアーは「フェデックスカップ・プレーオフ」の話題がかまびすしいが、その一方でツアーも終盤にかかり賞金ランキングの行方も気になるところだ。プレーオフはポイントで争われ、賞金ランクは賞金そのもので順位が決まる。この違いを紹介しながら、今週開催されるプレーオフの最終戦・ツアー選手権の見どころをあげてみた。

 2007年に始まった米ツアーの「フェデックスカップ」はツアー第1戦のSBS選手権からスタートして、成績をポイント換算して加算される競技システムだ。それが、8月26日から開催されたバークレイズから4試合は呼び方が「プレーオフシリーズ」となり、ポイント上位者だけが出場できる試合となる。

 通常の試合では、優勝すると500ポイント(メジャーなどは600ポイント)、10位だと75ポイントといった形で加算され、出場選手はプレーオフの第1戦バークレイズ直前までの時点で上位125名が、プレーオフの出場権を得る。こうして第2戦は100名、第3戦は70名、最終のツアー選手権には30名に絞りこまれていくのだが、プレーオフでの優勝ポイントは2,500ポイントと通常の試合の5倍のポイントが与えられることから、プレーオフの試合自体は格の高い試合と位置づけらているのだ。




 さらに、最終、ツアー選手権になると、これまで加算されていたポイントがリセットされる。「このシステムは、よく機能しているように思っているが、今回はちょっとがっかり」とポイントで大きくリードしてトップになっていたM・クーチャーが語るように、一旦、通常のシーズンからのポイントが0に戻され、表にあるような順位に応じたポイントがリセットされて与えられる。つまりポイントが下位の選手でも、上位陣が崩れ、自分がツアー選手権に優勝してプレーオフで1位になれば1,000万ドル(約8億5,000万円)のボーナスを獲得できるのだ。

 もともと、9月のこの時期以降は、大リーグのペナントレースが白熱化してくる上に、アメリカンフットボールの開幕などで、スポーツファンの目が、ゴルフから遠ざかってしまう傾向があった。しかも、メジャーを中心にスケジュールを組んでいるトッププレーヤー達は、試合に出てこなかった。そういう選手をツアーに引き出すためにプレーオフの制度が設けられたということだ。

 さらに。これとは別に「賞金王」争いも同時進行している。

 今季は2勝している選手が6人いるが、3勝以上している選手は1人もいない。つまり、賞金王争いは混迷、熾烈を極めた戦いになっているのだ。プレーオフのボーナスは賞金ランキングには加算されないが、ツアー選手権の優勝賞金は135万ドルとビッグ。

 プレーオフのあとにまだ、秋季シリーズが5試合残っているとはいえ、優勝賞金は65万ドルから90万ドルといったところで、ツアー選手権にランキングの上位の人間が優勝すれば、そのまま逃げ切って賞金王になる可能性は高い。

 例年なら賞金王争いはタイガーが定席をしめていたが、今年は誰が勝っても不思議ではない。まずはツアー選手権の勝者に注目だ。




 
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