9月第3週に行われた韓国女子ツアーのメジャー、KLPGA選手権でシン・ジエが完全優勝を飾り、史上最年少で韓国のゴルフ殿堂入りを決めた。ところが、その試合で前代未聞の騒動が巻き起こっていた。
「長年トーナメントに携わっていますが、あんな光景を見たのは初めてです」
というのはシンの帯同キャディ、ディーン・ハーディン氏だ。彼が目にしたのは、まさにその直前に起きた。
シンの優勝シーンを見ようと1,000人以上のギャラリーが、なんとマーシャルの制止を振り切り、ロープを潜ってグリーン周りになだれ込んだのだ。
人垣で視界を遮られた他のギャラリーから怒号が飛び交い、あちこちで小競り合いが勃発。ついにはギャラリー同士の乱闘騒ぎに発展したため、選手たちがプレーを一時中断し、騒ぎが収まるのを待たなければならなかった。
20分後、ようやく騒動が収まって落ち着きを取り戻し、シンが無事にウィニングパットを沈めて優勝を飾ったものの、大記録達成の瞬間にケチをつけられた後味の悪さが残った。
それでも心優しいチャンピオンは、トレードマークの笑顔を絶やすことはなかったが、近年は韓国だけでなく、アジア諸国でギャラリーのマナーの悪さが、しばしば取り沙汰されている。
日本でも携帯カメラが問題になっているが、アジアではときにカメラやビデオまでも持ち出して撮影したり、選手のプレーの妨げになるほど至近距離で観戦するなどのケースもあるという。
オリンピックの正式種目入りしたゴルフが、世界中で発展するのは喜ばしいことだが、急速に広がったせいでマナーが低下するということだけは避けなければならない。
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