ゴルフ場でイノシシ被害が拡大している。以前は山岳コースなどに被害が集中していたが、最近は千葉県市原市のゴルフ場など、市街地に近いコースにまで出没するという。ゴルフ場の対策を探った。
市原GCは5月29日に45ホールの外周をぐるりとスチール製のイノシシ防護フェンスで囲む作業を完了した。総距離は10.5キロメートルにも及び、ゴルフ場をすっぽり広範囲に囲うのは同県でも初の試みといわれている。
設置に至った経緯を同GCでは、「イノシシが10年ほど前から北上し、2年前から被害が出始めた。夕方から夜間の活動が多いのでゴルファーなど人的被害はないが、コース内で餌を目当てに穴を掘るなどの被害が、昨年8月~4月の季節でほぼ毎日生じていた。穴の面積が大きくて芝の張り替えも多く被害は甚大。今回のフェンス設置となった」(相田邦夫コース管理部長)という。
近隣のゴルフ場では電気柵による防御策が多いなか、同コースが防御フェンスを選んだ理由は、「電気柵は高さ50センチで、突進してくるイノシシにとって通電していても突破が容易であるのに対し、防御フェンスは高さも1メートル20センチ。頑強でその効果が見込めること。更に、設置後のメンテナンスも電気柵は草が触れないように周囲の手入れが必要なのに対し、防御フェンスは手入れがいらない。電気代なども考えれば、初期費用は10倍近いが、防御フェンスのほうが良いと判断した」(同部長)という。
また、丹沢山系に連なる位置関係にある神奈川県の箱根CCは20年前から被害に悩まされてきたという。
「10年前に要所に電気柵を張り防御しているが、先日、一頭柵を破って進入され、県を通して猟友会に駆除を依頼。箱根・仙石地区は毎年夏以降に駆除を行っている」と武藤訓弘支配人。
柵を設置してから被害はぐんと減ったというが、欠点は柵のまわりの草刈りが必要、夏などは毎日周囲のチェックも必要という保守管理面にあるという。
電気柵かスチール防護フェンスか、はたまた猟友会などによる駆除と、今後のイノシシ対策の流れが注目されるが、プレーする側としてはよりパーフェクトな方法を講じてもらいたいものだ。
2010/ 9/28 この夏はハチが元気で大騒動。ラフや林は要注意!
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