長引く不況で来場者が減少するなど厳しい状況が続くなか、コースの一部を閉鎖して経費の削減を図ったり、他事業を展開したりするゴルフ場が、ここ数年目立って増えてきた。
阿蘇GC赤水C(熊本県)では来場者の少ない平日に限り27ホールのうちの9ホールをグラウンドゴルフのコースとして活用、地元の愛好者に貸し出している。
妙高パインバレーCC(新潟県)は閉鎖した9ホールをトレイルランニング(山野を走り回るスポーツ)のコースとして提供。現在は無料だが、スキー選手が合宿に利用することもあり、将来的には有料とする方針だという。営業企画・宮下直樹氏は、
「地元のスポーツ店の勧めがあって始めました。現在、主に、中学校、高校のスキー部、陸上部などの練習場所として無料で(宿泊は有料)貸し出しています。一般の舗装道路とは違い、土の上なのでひざを痛めることがないと好評を得ています」という。
こうした自然体験型のレジャー施設に転用したケースはニセコビレッジGC(北海道)も同様だ。36ホール中18ホールを熱気球、スナッグゴルフ、ディスクゴルフなどの施設として活用している。
また、ケントスGC(栃木県)では9ホールを貸し切りの練習場として転用。通常の練習場ではできないような、より実践的な練習ができるとあって、土・日・祝日などは満員となるなど人気を集めている。
一方、大田原GC(栃木県)、東都秩父CC(埼玉県)などのように閉鎖したホールを山林に戻したケースも目につく。こうした処置によってゴルフ用地として評価されていたものが山林評価となり、固定資産税が減額されるため、事業経費の削減が図れ、結果的に、事業の合理化になるというわけだ。
この他、コースはそのままだが、平日や冬季に限ってクラブハウスを完全閉鎖するケースなども。ゴルフ場の経営努力は、まだまだ続きそうだ。
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