この4月に、鹿児島県で左利きゴルファーの全国大会が開催されるが、ゴルフではレフティはかつて日陰に追いやられていた。特に悩みのタネはクラブで、右用に比べるとはるかに少なく、ごく限られたモデルしかなかった。
左用が少なかったのは、レフティの絶対数が少なかったためだ。クラブの開発にはコストがかかり、ある程度の数が見込めないと見合わない。ニューモデルの発売時期にしても、右用の3~4カ月後と、冷たく扱われていた。だが今年は状況がかなりよくなり、右用と同じか、遅くても2カ月程度の遅れで発売されている。
好転している要因のひとつには、親が子どもの利き腕を無理に矯正しなくなったため左利きの絶対数が増えたことがあるようだ。外国ではもともとそうした習慣がなかったのでレフティの割合が多く、以前から左用も右用と同時期に発売されていた。M・ウィアやP・ミケルソンも左用クラブが多い環境だったことがマスターズチャンピオンなれた一因かもしれない。
「いい顔のクラブがない」というのもレフティの悩みだった。多くのメーカーでは左用も右利きの設計・開発者や職人がつくっていたこともあり、レフティを満足させるのは難しかったようだ。だが最近ではクラブ開発に3次元CADを使うようになり、右用と完全に対称のクラブが容易につくれるようになった。
ところで、日本では左用クラブはどのくらい売れているのか。国内の人気モデルである新・ゼクシオドライバーの場合、「右用の同スペックと比較すると左用は約1割程度」(SRIスポーツ)という。まだまだ数は少ないが、このまま増えていきそうな気配だ。
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