ベルンハルト・ランガー(53)が、エースグループクラシックで今季3戦目にして初勝利を飾ったと思ったら、その翌週には、マーティン・カイマー(26)が、ワールドランキングのトップに立った。ゴルフ後進国とみなされていたドイツが今や、世界のゴルフのトップに立つ現況とは。
シニアのワールドランキングは存在しないが、3年連続賞金王のランガーが、シニアの頂点にいることは間違いがないだろう。これに加えてカイマーがランキングトップ。ともにドイツ人が、世界の頂点を極めていることになる。
ランガーがカイマーと初めて出会ったのは、4年前のドイツ・ハンブルグでの試合だが、それ以来、マスターズをはじめ、ともに出場する試合では、練習ラウンドを常に一緒にしているという。
「5年前にはカイマーの名前すら聞いたことがなかった。彼がトップになったことは驚かないが、トップになるまでの急成長ぶりには驚かされる。ショートゲームがどんどん上手くなっているし、何よりメンタル面での強さがある」とランガーは語っている。
対してカイマーは、ランガーについて、「彼は非常にドイツ人的だ。彼のプレーの仕方を参考にすることが、自分に役立っている。試合で落ち着いてプレーができるんだ。私も怒ったり、興奮したりすることはあるが、いつも全力を尽くしているところは彼と同じだよ」と語る。
カイマーはプレー中、どんな状況でも諦めず、感情を出さずにプレーする。タイガーのような派手なガッツポーズもなく、実直でメリハリのないプレースタイルだが、それこそがドイツ的ということなのだろう。
「私は、試合前には技術だけでなくコース戦略や精神衛生状態など、用意周到に準備している、そして絶対に諦めない」(ランガー)
ランガーはこれまで4回ものイップスを克服しては、不死鳥のように返り咲いてきた。この不屈の精神、ギブアップしないという考え方がカイマーに受け継がれていることは想像に難くない。
ゴルフ後進国のドイツ勢の2人、これからどこまで勝利を重ねるのだろうか。
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