南ア出身のシャール・シュワーツェルがマスターズを制し、4大大会制覇にあと1勝と迫った……といってもシュワーツェル自身は今回が米ツアー初優勝。グランドスラムに王手をかけたのはナイキの『メソッドパター』だ。
グランドスラムといえば、古くはボビー・ジョーンズが『カラミティ・ジェーン』、最近ではタイガー・ウッズが『スコッティ・キャメロン ニューポートII』を相棒に達成してきた。
しかし、『メソッドパター』の場合はちょっと事情が異なる。2009年「全米オープン」のルーカス・グローバー、同年「全英オープン」のスチュワート・シンク、そして今年の「マスターズ」と3人の選手が勝利を積み重ね、残りの「全米プロ」でこのパターを誰かが使って優勝すれば『メソッドパター』によるグランドスラムが達成されるというわけだ。
F1レースに例えれば「メーカータイトル」のような位置付けだが、だからといって価値が低いわけではない。タイガーのような大選手の力に頼っていないことがひとつ。また、『オデッセイ』や『スコッティ・キャメロン』『ロッサ』など強力なブランドがせめぎ合うツアーでは、契約選手ですら実績のあるパターを使いたがるため、新興メーカーが食い込むことは容易ではない。
そんななか、わずか2年余りの間に欧米ツアーでメジャー3勝を含む20勝を挙げる『メソッドパター』の躍進ぶりは光っているといえるだろう。2011年シーズンもすでに7勝、シュワーツェル、ポール・ケーシー、フランチェスコ・モリナリら勢いのある若手の力で、早ければ今年8月の全米プロで『メソッドパター』の快挙が見られるかもしれない。
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