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日本ではシニアツアーとレギュラーツアーをかけもち
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米チャンピオンズツアーのメジャー、全米プロシニアで室田淳が大健闘。惜しくも優勝は逃したが、勝ったトム・ワトソンにわずか1打差の単独3位に食い込んだ。
予選ラウンドの2日間、室田のプレーは冴え渡っていた。両日ともベストスコアをマークし、通算11アンダーで後続に4打差をつけトーナメントを引っ張った。
しかし3日目に失速。トップタイからスタートした最終日は「室田のゴルフをする」と気合いを入れたが、出入りの激しい内容で首位の座を譲り、最終18番で「これを入れればプレーオフ」という15メートルのイーグルチャンスを外し、1打に涙をのんだ。
「最終日は思うようにパットが入ってくれなかった」と悔しがったが、実は3日目に背中を痛め、最終日は脇腹やひじにも痛みが伝染し満身創痍の状態だった。苦しみを乗り越えての善戦に「残念だけど少し自分のゴルフに明かりが見えてきた。またアメリカに帰ってくる」と55歳は前を向いた。
初日単独トップに立ったとき報道陣から日本を襲った大震災の話を聞かれた。すると室田は「被災した方々が1日でも早く普通の生活に戻ることのほうが僕のゴルフよりもずっと大事」と発言。「青木さんやジャンボさんが活躍すれば被災者の方々の励みになるかもしれないけれど、僕なんかが頑張っても気に留める人もいないでしょう」と謙遜した。
だが初優勝まで10年かかった遅咲きゴルファーの不屈の闘志はシニア仲間たちが「最終日には必ず室田がくる」と口を揃えて恐れるほど。愛情を込めて同郷(群馬)の1年先輩・中嶋常幸が「天敵」と呼ぶなど、歳を重ねるほど強さを増す"中年の星"でもある。今回彼のプレーに励まされた人は多いはずだ。
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