東京電力は福島第一原発、第二原発の事故に伴う風評被害に対する補償金の支払い手続きの受付を9月から開始し、その後、順次支払いを実施すると発表した。
風評被害の補償対象としているのは「農林水産業」「農林水産物の加工業・食品製造業・流通業」「サービス業」「観光業」「輸出業」の5業種。このうちゴルフ場はサービス業に区分され、これによって風評被害を受けたゴルフ場にもそれぞれの被害の規模に応じた補償金が支払われることになった。
ただし、農林水産業などの各業種の補償対象が「福島、栃木、茨城、群馬に営業拠点がある法人と個人」になっているのに対して、ゴルフ場が含まれるサービス業は「福島に営業拠点がある法人と個人」のみとされているため、現段階では福島県内のゴルフ場だけが該当することになる。
これに対して、ゴルフ場に近い観光業では「福島、栃木、茨城、群馬に営業拠点がある法人と個人」が補償対象となっているだけに、東京電力の判断には首をかしげざるを得ないが、同社では、あくまでも風評被害に遭っているのは福島のゴルフ場だけという考え方のようだ。
今後は、明らかに原発事故による風評被害で入場者数が減り、収入減となったと思われる茨城や栃木など福島県以外のゴルフ場からの補償要求が相次ぐことも予想され、この問題が決着するまでは、まだまだ時間がかかりそうだ。
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