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遼のスポンサーがパナソニックだったという背景もある?
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パナソニックオープンは、開催コース(琵琶湖CC)が地元の平塚哲二の逆転優勝で幕を閉じたが、TVのゴルフ中継のありかたについて改めて波紋を呼んだ。
というのも、最終日はともかく、2、3日目は、優勝争いはそっちのけで、ほぼ石川遼の組だけを追い続けたのだ(制作はTBS)。
「試合の中継ではなく、遼のドキュメント番組のよう……」という読者からの声が、週刊ゴルフダイジェスト編集部にも多く寄せられた。
これはいまに始まったことではなく、たとえば09年ダンロップフェニックス最終日。放送開始から20分間、石川遼しか出てこない(制作はMBS。遼の放映時間は全体の3分の1)。優勝争いしている選手は名前が出ているだけ。しかも遼は放送開始時点で首位から10打差(優勝はE・モリナリ)。小誌コラムでも、元巨人監督の川上哲治氏が「これはスポーツ中継ではない」と一喝している。
「米国でタイガーが勝ち続けているころ、優勝に絡まないときでもハイライト部分は非常に多かった。それでも、必ず優勝争いに戻っていました」(TV解説者・佐渡充高氏)
そもそも、トーナメント勃興期に、試合のスポンサーがTV中継をお願いする形で出発した日本のトーナメント中継。本来ならTV局側が主催者に払う放映権料は逆に主催者側が負担。TV局としても放映するからには、広告スポンサーを探さなければならず、そのためには視聴率を稼ぐ必要に迫られる。そこで「視聴者の要求に応える」制作意図のもと、視聴率稼ぎで人気選手ばかりを画面露出させてしまう事情があるのだ。それを証明するかのように、今回のパナソニックの視聴率は24日の土曜日が5.2パーセントと25日最終日(4.8パーセント)より高かった。なお、今回の番組の制作意図などTBS広報部に文書で問い合わせたが、期日までに回答はなかった。
「録画中継では、それが終わるまで、他局ではニュースとして流してはいけない。これではスポーツとして認められていないということでしょう」(ゴルフジャーナリスト)との声もある。
営業か報道か、TV局にとっては悩ましい問題ではあるが、勝負の醍醐味を味わいたいゴルファーも多くいる。電波の公共性を考えれば、TV局が独断で選ぶ人気選手ばかりのTV中継はいかがなものか。
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