マイナビABCは、目下賞金王レース独走中のベ・サンムン(25)とプロ9年目の河野晃一郎(31)との一騎打ち。プレーオフ6ホール目で、王者ベを下した河野だが、知名度はイマイチ。いったいどんな人?
最終日64をマークしたベはトップとの6打差をひっくり返してホールアウト。後続を待った。18番パー5は525ヤードと、イーグルも狙えるチャンスホール。ベに2打差で18番を迎えた河野は、決めなければ追いつけない2メートルのイーグルパットを沈め、プレーオフに持ち込んだ。
プレーオフはサドンデスで行われ、18番ホールを繰り返す。今季3勝のベ相手に、ツアー未勝利の河野の勝ち目はなさそうに見えた。ティショットの飛距離では30~40ヤードのハンディも背負う。しかし、ひとホール目から、河野はフェアウェイ、ベは右ラフと、ティショットの精度でベに対抗。2ホール目で河野がアプローチを空振り(だるま落とし)するなど、両者決め手を欠いたが、6ホール目にバーディを奪った河野がベから金星を奪った。
271ヤードの平均飛距離を補う河野の小技は、ツアーでも指折り。昨年のサンドセーブ率は1位、平均パット数は4位。
クラチャンに15回輝いたトップアマの父・晃さん(71)の影響で、14歳でゴルフを始めた河野は東洋大学卒業後、単身渡米。父の経営する会社(所属先のエコー電子)を継がず、プロゴルファーの道を選択し、4年間の武者修行に出た。
「サンディエゴに拠点を置き、ミニツアーに参戦。そこで、試合で稼げないと食べていけないハングリーさを覚えたんです」
ミニツアーで3勝を挙げ、自信をつかんで帰国。最近までは、プレー中にイライラすることもあったというが、最近では笑顔がすっかりトレードマークとなった。「笑顔のほうがうまくいく。それで、どんなときでも笑顔でプレーしようと心がけています」
ちなみに「河野」の読み方は「かわの」。小泉直JGTO会長までもが「こうの」と間違えるほど無名だったが、この笑顔の初優勝で、一躍全国区だ。
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