1958年(昭和33年)開場の富士CC(静岡県)のクラブハウスが、昨年末、国の文化審議会によって登録有形文化財(建造物)に登録するよう答申され、近々正式認定される予定だ。
同クラブハウスは、日本に近代建築をもたらしたアントニン・レーモンドの設計。天井のない山小屋風の木造建築で、その後、彼が数多く手がけた木造クラブハウスの初期の代表作といわれる。
レーモンドはフランク・ロイド・ライトの弟子で、帝国ホテルの設計の際に初来日。クラブハウスだけでなく、東京女子大礼拝堂など日本国内に数多くの名建築物を残した。ちなみに小社本社ビルもレーモンド作だ。
「富士カン」のクラブハウスは、レーモンド設計で今も実際に使われているものでは最古の建物。倶楽部では、一時期は建て替えを検討したそうだ。だが、「使用しながら、大切に守っていきたい」(同CC)と現在に至った。
そこで国の「文化財登録制度(建造物)」登録を申請。その文化的価値が認められ、晴れてゴルフ場のクラブハウスとしては初の登録有形文化財となった。
「今後は、地元市民や小中学生・高校生向けの公開見学会等を通じて、文化財としての価値を認識、理解いただくといった活動を考えています。また、まちづくりや観光などに積極的に活用されることも期待しています」(同)
機会があればコースだけでなく、クラブハウスの趣も堪能してほしい。
【関連記事】
2011/ 3/22 ゴルフの聖地にしてウィリアム王子ゆかりの地が世界遺産に?
|