日本プロゴルフ協会、日本女子プロ協会、日本ゴルフツアー機構が三位一体で設立した日本プロゴルフ殿堂の第1回殿堂入り式典がこのほど行われた。
今回の殿堂入りは7人。①1972年以前(ツアー制度施行前)に活躍し、または功績を残したレジェンド的プレーヤー、②1973年以降に活躍した表彰資格(11個ある)を満たす男子現役世代プレーヤーに合致する選手だ。ざっと7人の顔ぶれを見てみよう。
宮本留吉(1902~85) 米国遠征でボビー・ジョーンズに勝ったこともあるプロゴルファーの草分け。クラブ製作にも携わる。
浅見緑蔵(ろくぞう)(1908~84) 日本オープン、日本プロを同一年で獲った最初のグランドスラマー。
戸田藤一郎(1914~84) 56歳、最年長でレギュラーツアーに勝った鬼才。
中村寅吉(1915~2008) ワールドカップの前身、カナダカップで優勝。日本に空前のゴルフブームを巻き起こした。
小野光一(1919~2000) 満州(中国籍)生まれで、中村寅吉とカナダカップでペアを組んだ。
小針春芳(1922~) 日本オープン2勝。クリークを自在に操り「那須の小天狗」と呼ばれた。
林由郎(1922~2012) フェードを駆使し、日本オープン、日本プロを連勝した業師。
ただ1人、90歳のいまも矍鑠(かくしゃく)としてクラブを振る小針は「ありがたいこと。自分のゴルフを懸命にやったおかげ」とコメント。
ただしこの殿堂、実際の御殿やミュージアムがあるわけではなく、インターネット上に存在するだけの“バーチャル”な殿堂でもある。
「早く施設を造りたいのですが、先立つ資金が……。もし造っても維持費が大変でして」(日本プロゴルフ殿堂事務局)と心もとない。
ちなみに米フロリダにある世界ゴルフ殿堂は米PGAツアーが管理運営し、ゴルフ場、宿泊施設などもある立派なテーマパークだ。
しかし、日本の殿堂の場合、「はっきりいってお粗末。経営的視点もなく、スポンサーもいない、いまの時点では、施設の建設は夢のまた夢ではないでしょうか」(ある事情通)と、見通し暗い状況である。
選手の選考基準もあいまいで殿堂そのものもなく、建設の見通しも立たないのでは、時期尚早のそしりを免れないだろう。
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