週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 4/17号
2012/4/9更新

権威はあと回し?
殿堂なきゴルフ殿堂と選ばれた7人のプロ




 日本プロゴルフ協会、日本女子プロ協会、日本ゴルフツアー機構が三位一体で設立した日本プロゴルフ殿堂の第1回殿堂入り式典がこのほど行われた。

 今回の殿堂入りは7人。①1972年以前(ツアー制度施行前)に活躍し、または功績を残したレジェンド的プレーヤー、②1973年以降に活躍した表彰資格(11個ある)を満たす男子現役世代プレーヤーに合致する選手だ。ざっと7人の顔ぶれを見てみよう。

 宮本留吉(1902~85)
米国遠征でボビー・ジョーンズに勝ったこともあるプロゴルファーの草分け。クラブ製作にも携わる。

 浅見緑蔵(ろくぞう)(1908~84)
日本オープン、日本プロを同一年で獲った最初のグランドスラマー。

 戸田藤一郎(1914~84)
56歳、最年長でレギュラーツアーに勝った鬼才。

 中村寅吉(1915~2008)
ワールドカップの前身、カナダカップで優勝。日本に空前のゴルフブームを巻き起こした。

 小野光一(1919~2000)
満州(中国籍)生まれで、中村寅吉とカナダカップでペアを組んだ。

 小針春芳(1922~)
日本オープン2勝。クリークを自在に操り「那須の小天狗」と呼ばれた。

 林由郎(1922~2012)
フェードを駆使し、日本オープン、日本プロを連勝した業師。

 ただ1人、90歳のいまも矍鑠(かくしゃく)としてクラブを振る小針は「ありがたいこと。自分のゴルフを懸命にやったおかげ」とコメント。

 ただしこの殿堂、実際の御殿やミュージアムがあるわけではなく、インターネット上に存在するだけの“バーチャル”な殿堂でもある。

「早く施設を造りたいのですが、先立つ資金が……。もし造っても維持費が大変でして」(日本プロゴルフ殿堂事務局)と心もとない。

 ちなみに米フロリダにある世界ゴルフ殿堂は米PGAツアーが管理運営し、ゴルフ場、宿泊施設などもある立派なテーマパークだ。

 しかし、日本の殿堂の場合、「はっきりいってお粗末。経営的視点もなく、スポンサーもいない、いまの時点では、施設の建設は夢のまた夢ではないでしょうか」(ある事情通)と、見通し暗い状況である。

 選手の選考基準もあいまいで殿堂そのものもなく、建設の見通しも立たないのでは、時期尚早のそしりを免れないだろう。

 
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