ヤマハレディースで、熊本県出身の笠りつ子が逆転優勝し、プロ2勝目を挙げた。これまでの「火の国女子プロ」の活躍をたどってみた。
「古閑(美保)先輩が最後に優勝した大会なので、どうしても勝ちたかった」と話した笠。古閑は笠と同郷で、坂田塾(坂田信弘主宰)で同じ釜の飯を食った先輩だ。
古閑以外にも、熊本出身のトップ女子プロは多い。賞金女王を振り返っても00年から05年まで6年連続で不動裕理。07年が上田桃子、08年が古閑。それ以来、賞金女王は途切れているが、今回の笠の優勝で可能性が出てきた。
強さの理由として、坂田塾や清元塾など傑出した指導者、ジュニアゴルファーに門戸を開くフィールドがあるのだろうが、熊本女性の「気の強さ」を挙げる人も多い。
例えば上田。タイで合宿中、坂田塾長の指示で小5の上田と小6の男子がペアを組んで、記者2人とマッチをしたことがあった。結局15番で記者チームの負けが決まったのだが、その際、上田はペアの男子に一打一打指示を出していた。その気の強さはまったく変わらないというのが、周囲の意見だ。
笠も負けてはいない。中3で出た試合の練習場でのこと。不動裕理が“指定のボール”を巡って注意すると、時の女王に一歩も引かずに睨みあったというのだ。これは坂田が明かしたエピソード。
「男性は肥後もっこすで頑固、情に篤(あつ)い。女性も、気が強く情熱的。自立志向がことのほか強い」というのが熊本の県民性だ。
熊本出身では、女王経験はないが有村知恵もいる。笠とともに、かつての指定席の座を強敵、韓国勢から取り戻してほしいというファンは多いはずだ。
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