スタジオアリス女子オープンで佐伯三貴がツアー4勝目を飾った。昨年5月のフンドーキンに優勝し、前半戦は賞金女王を争うほどの活躍だったが、後半戦に失速。予選落ちが続き、不調に陥っていた。そんな佐伯の窮地を救ったのが、同郷の大先輩、倉本昌弘だった。
佐伯と倉本は共に広島出身。昨年12月に、地元で行われたチャリティコンペで、佐伯が倉本に悩みを打ち明けた。
「ボールが当たりません」
スウィングが極端にフラットになり、まともにボールが当たらないという佐伯。このオフ、倉本は時間が許す限り、練習に立ち会ったり、練習法を授けたり、電話での相談を受けたりした。
「一番のアドバイスですか? 言えませんよ」と言いながら、佐伯がひとつだけ教えてくれた。
「スウィングが早かったんです。とくに切り返しからの“間”がなくなっていて。それで倉本さんが、私の背後に立って、トップで『パンッ』と手を叩いたら、ダウンスウィングに入るという練習をしたんです。トップで完全に止まってから『パンッ』の合図で始動する要領です。切り返しでしっかり間がとれるようになったことで、スウィングが安定したのはもちろん、球筋の打ち分けもできるようになりました」
スタジオアリスは、強風が吹き、グリーンが硬く、アンダーパーがわずか4人の難コンディション。アゲンストではドロー系の強い弾道が、グリーンで止めたければ、高いフェードボールが求められた。球筋を打ち分けられるようになった佐伯に、勝ち星はついた。
選手会長として男子ツアーを盛り上げるために、さまざまなアイデアを発表している倉本。アイデアマンの面目躍如たる練習法で佐伯を見事、復活させたようだ。
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