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「瓜田(かでん)に履(くつ)をいれず」とは、疑わしいことはやめましょうという意味
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先日のツアー選手権でプロ初勝利を飾ったルーキー、藤本佳則。ニューヒーロー誕生と大いに沸いた一方、テレビに大映りした彼の「リプレース」について、読者から疑問が寄せられた。
主な内容はこうだ。最終日17番のパー4グリーン上、藤本が残り1.5メートルのパーパットを打つときのこと。「ボールマーカーより、随分前にボールをリプレースしたように見えました。あれは誤所からのプレーになるのではないでしょうか」というのだ。
編集部でもビデオ確認したところ、確かにボールマーカーから2~3センチ前にリプレースしているように見える。
しかしこの場合、2~3センチ前だから「藤本が違反した」というわけではない。ボールマークとリプレースの際はボールを拾い上げたところにボールを戻すことが大事で、藤本も元あったところに戻していれば問題はない。しかし、放送ではマークをしてボールを拾い上げるシーンはなく、リプレースのシーンだけが大映しになった。それがあらぬ疑いを呼んでしまったのだ。
ちなみに過去の裁定によると、ボールの後ろに2インチ(5センチ)も離してボールマーカーを置くのは違反となっているが(202・1/20)、「球とマーカーの距離についてゴルフ規則での数値的規定はありません」(JGA)という。
藤本はとおとうみ浜松オープンで、競技委員やマーカーを呼ばずキャディと二人だけでボールをドロップする姿も映され、「誰も立ち会わなくていいの?」と、ちょっとした波紋を呼んだばかり。さらに、「ドロップの際、1クラブレングスを測るのに大きなヘッドカバーをつけたままなのが気になりました」との読者の指摘もあった。
リプレースにせよ、ドロップにせよ「ルール違反」というわけではないが、「瓜田に履をいれず、李下に冠を正さず」という言葉もある。期待の大器だけに、ルールには慎重に対応し、誤解されるようなことはしないほうがいい。
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