全米女子オープンでパク・セリが韓国勢初の優勝を飾ったのが14年前。パクの優勝に感化されプロを志したチェ・ナヨンが、パクと同じコース(ブラックウルフラン)でメジャー初優勝を飾った。
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パク・セリらがシャンパンファイトで祝福
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勝利を決めた瞬間、韓国の仲間がシャンパンシャワーでチェを祝福。その輪の中には14年前の主役パクの姿もあった。
「パク・セリ先輩がこういってくれたんです。『素晴らしかった。あなたは私の自慢の後輩よ』って。14年前、10歳のときテレビで観ていた人が祝福してくれるなんて、本当に夢みたいでした」
2位と6打リードで迎えた最終日、楽勝ムードが漂うなか、10番でまさかのトリプルボギー。2打差まで詰め寄られたが、すぐに冷静さを取り戻し11 番でバーディ。再びリードを広げ、終わってみれば5打差の圧勝。
「トリプルボギーのあと気持ちを切り替えるためキャディに話しかけました。そうしたら彼が『10番のことはもう忘れよう。終わったことはいまさら仕方ない。未来だけを見つめよう』といってくれて……。それで完全に吹っ切れました」
メジャーの重圧のなか冷静さを失わなかったのはメンタルコーチであるピア・ニールソンとリン・マリオットの『54ビジョン』の教えによるところが大きかったとチェはいう。
「ピアとリンから『毎日1つ、小さな目標を作って、ラウンド中それをやり抜く習慣をつけなさい』といわれて、最終日はショットを打つ前後だけ集中するというテーマに取り組みました。あとの時間はゴルフではなく別のこと、たとえば食べ物のこととかを考えていました。ずっと緊張していたら身がもたない。メリハリをつけて、打つ前後の数十秒だけに集中したのがよかったのだと思います」
メンタルといえば、強気の攻めも話題になった。たとえば最終日の13番・195ヤード・パー3。このホールはフェアウェイからグリーンにかけて、右側の池が食い込んでいる。最終日はピンがグリーン右サイドに切ってあったから真っすぐ狙うと池越えになる。
普通の選手なら池を避け、安全にボギーでもいいからと左側から狙っていくのだが、チェは迷わずピンデッドを狙ったのだ。わずかキャリーが足りず、池ポチャしそうだったが縁の石に当たり、グリーン側にハネて、奥から寄せワンのパーをもぎとった。
これでピアとリンの弟子のメジャー覇者は6人目。“姉弟子”の藍にも、もうすぐチャンスが巡ってくる?
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