今年の猛暑で、日本中あちこちで“悲鳴”が上がるなか、8月17~19日に裾野CCで開催されたファンケルクラシックでは、百戦錬磨のシニアプレーヤーが熱中症で倒れてしまった。
シニアツアー史上最多、3日間で2万3802人ものギャラリーがつめかけた同大会。初日は湿気も高く、選手もギャラリーも大汗をかきながらアップダウンのきついコースを歩いていた。
そこに届いたのが、藤池昇龍途中棄権の知らせ。ケガや体調不良での途中棄権は別に珍しいことではないが、クラブハウス2階にある医務室からは「う~っ!う~っ!」と、藤池のうめき声が聞こえており、緊張が走った。
やがて、救急車が到着し、担架で運び込まれた藤池は、熱中症の応急処置として服を脱がされ、体を冷やされてはいたものの、顔は赤黒く、医務室から救急車までの間も苦しみ続けていた。
「急な傾斜をのぼるうち、過呼吸のようになって棄権した」と、キャディがもらしたこともあり、関係者は青ざめたという。
だが、やがて病院から「熱中症」と診断結果の連絡があり、「点滴を受けて回復した」との報告に、関係者らは胸をなでおろした。あのうめき声は、脱水症状で両足がつったことによる痛みのためということもわかった。
翌朝、藤池は試合会場に挨拶に現れた。58歳とはいえ、元プロ野球選手で体力にも自信があるはずのベテランプロがこれほど苦しむ熱中症。その怖さを改めて思い知らされたできごとだった。
本誌でもたびたび伝えているとおり、熱中症対策には「のどが渇いた」と思う前からのこまめな水分補給が大切。さらに、水分だけではなく塩分の摂取も必須だ。9月に入るとはいえ残暑は厳しい。ラウンド時、観戦時ともに対策を怠らないようにしたい。
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