石川遼が「転換期」を迎えている。ウィンダム選手権までの5連戦で、今季の米ツアーの出場予定試合は終了。87万ドル余りを稼ぎ米シード権獲得を確実にした一方、米ツアーで生き抜くため、新たなゴルフスタイルを模索。これまでこだわってきた「ドライバーの飛距離アップ」は小休止、今後は「アイアンの精度アップ」へ力を注ぐ考えを示した。
日本ツアー初優勝の15歳のころから「350ヤードを真っすぐ飛ばしたい」と公言し、飛距離アップの努力を惜しまなかった石川にとっては、大きな決断だったに違いない。
WGCブリヂストン招待でローリー・マクロイと同組でラウンドした後、「あきらめるわけじゃないけど飛距離には限界がある。マクロイとは同じ距離からアイアンで持つクラブが1番手違うけど、精度が同じなら僕が1つ大きな番手で打っても問題はない。(だからこれからは飛距離よりも)アイアンの精度で勝負していきたい」と語った。
同大会の平均飛距離は石川が311.5ヤードで45位、マクロイは344.6ヤードで2位と、差は歴然。欧米選手より体格で劣る石川がさらに飛距離を伸ばそうとすれば、スウィングを崩す恐れも。ならば、ドライバーの飛距離は割り切り、アイアンショットを磨くほうが現実的だろう。
今回の遠征中もアイアン重視の練習を積んだ。左足裏がインパクトでめくれないように、左足甲の上にクラブを乗せて何球もボールを打った。その結果、手応えも得た。クラブを短く持ったり、スウィングの大きさやスピード、球筋を変えて打つことで、番手間の微妙な距離も打ち分けられるようになったという。
「今まではドライバーを飛ばしたら、そこである程度終わっていた部分があったけど、いまはアイアンの感覚が繊細になってきた」
アイアンでゲームを組み立てるようになった石川。後半戦は新スタイルで2年ぶりの優勝を狙う。
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