日本オープンを制した久保谷健一の優勝スコアは、ツアー施行後歴代2位の低さ、8オーバー。ボギー、ダボ、オンパレードの試合内容で、同大会で4回優勝している中嶋常幸も「難しすぎた。選手の技術が生かせるくらいのセッティングにしないと……」と、コメントした。
全米オープンのように「優勝者のスコアをパープレーとする」セッティングを理想にしているJGA。
「もちろんそのはずでしたが、今回の計算外は同大会始まって以来の強風とティフトン芝の扱いでした」とは、あるコース設計家。
セッティングの4大要素はラフの長さ・密集度、フェアウェイの幅、グリーンの硬さ・速さ、ピンポジション。それに風が加わって難易度が決まる。舞台の那覇GCは開催が決まってから、平らなフェアウェイにアップダウンをつけ、バンカーも改造。コース自体の難易度を高めた。
それが「台風の影響か、ふだんの逆風になることも。しかも極めつけの強風で、改造ホールはさらに難しくなった。予期せぬ風の影響でセッティングの要素がそれぞれトゥーマッチになってしまった」(前出・コース設計家)
また、ラフの刈り高が難しさにつながったというのは、TV解説者のタケ小山氏。「南洋芝のティフトンは短く刈るとボールが葉の上に乗って、やさしくなる。かといって長いとボールが沈んで超難関となる。今回は後者でした」
松林のある日本的なコースで開催されるイメージの日本オープンだが、今回は沖縄返還40周年を記念し、初の沖縄開催。参加選手は大変だったろうが、われわれ観ている側としては印象深い、記憶に残るオープンとなったのではないだろうか。
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