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2年振りの勝利は、最年少での10勝目となった
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VISA太平洋で2年ぶりの復活優勝を飾った石川遼。さて、勝利の気分はいかがでしたか?
18番の池越え、
いま考えるだけで
ゾクッとします
――2年ぶりの優勝でした。
遼 ウイニングパットのたった10センチの距離でも手が震えたという感覚は、いままでの9勝ではないことでした。
――18番の2打目は池を越えるギリギリのショットでした。
遼 ちょっとでも薄めに当たったら、左からのアゲンストだし、雨、寒さ……。245N3打たなければ池に入ってしまうショット。1打リードした場面でしたが、松村(道央)さんより不利な状況で3打目は打てない。16番、17番のボギーでスキを見せていることもあったので、攻めました。ただ、ピンからドローを打ったつもりのボールが、左からの風が強くて、いま考えるだけでゾクッとします。もう、あんなショット打ちたくないですね(笑)。
練習すれば
上手くなるか、
不安がありました
――2年間優勝がないのはつらかった?
遼 練習すれば上手くなるんだろうか……。そんな不安はありました。ただ、2年ぶりの優勝で、やっている練習にも間違いなかったんだなと。練習することで技術や精度が上がる。精神的にも強くなっていくと確信しました。じつは、もがいているとか、悩んでいるとか、僕自身、大っ嫌いなんです。そう見られたくないんです。かっこつけてると思われるのは、わかっています。ただ、僕は不器用なんです。器用で運動神経がいい人って、なんでもできるじゃないですか。僕は全然できなくて。かげで(猛練習を)やっていても「簡単にやれるんだね」とか「なんでも器用だね」といわれるんです。
練習にしてもトレーニングにしても、すぐには結果にあらわれてくれません。7月にトレーニング不足で、腰を悪くしてから、地味なトレーニングを毎朝毎晩続けても、1カ月2カ月で成果が出ないと嫌だ、というわがままが出てしまうこともありました。
――一番つらかったころは?
遼 意外と今日(最終日)がつらかったかもしれません。流れが悪くなったり、パッティングに自信が持てなくなったり……。トップに立っていて、優勝にもっとも近いところにいるのに、です。2週続けて予選落ちしたころよりも今日の一瞬の不安だったり、手が震える感覚だったり、そのほうがつらかったですね。
――インタビューの涙も、つらかった2年間を思い出したから?
遼 泣かないと思ったんですが、キャディやアメリカでもいつも一緒だった仲間やチーム、家族……2年間、サポートしてくれたみんなを見たら、ダメでしたね。
ウイニングボールは
彼女にずっと
プレゼントしてます
――ギャラリーにボールを投げていました。
遼 いままで、一度も誰にもウイニングボールを投げたことはありません。ずっと彼女にプレゼントしていたんです。この2年間は、寂しい話題でした。「最近ボールくれないね」って。(昨年の大会での)ホールワンのボールはあげていませんが、優勝したときはカップに沈めたボールを絶対プレゼントすることにしてます。
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