週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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“戒律を守れ！”
ブルネイでゴルフの試合が２時間中断

　アジア欧州対抗戦、ザ・ロイヤルトロフィが行われたのは東南アジアのブルネイ。敬虔なイスラム教徒の国で知られ、“戒律遵守”はゴルフの試合でも例外ではなかった。

　イスラム教では１日５回のお祈りが習慣化している。しかし、それも若者の間では形骸化しているようで、ボルキア国王はそれに「喝！」。１カ月前に「毎週金曜日、正午～午後２時は祈りの時間。すべての活動を禁止」との条例を発令。試合でもこの条例は実行され、前半９ホールを午前、後半は午後２時から再開。選手たちはこの待ち時間をどう過ごすかで大わらわ。体を温め直し、モチベーションをキープするのに、各選手腐心していた。

「イスラム教の人たちには大事な時間だし……、前半と後半、別ものとして対応します」と、初経験をプラス思考でとらえていた石川遼。

　宗教的戒律でいうなら、キリスト教では「日曜日は安息日」で、仕事のみならず娯楽やスポーツも禁止というのが原則だった。意外と知られていないのが、あの聖地オールドコースも日曜日はクローズ。「１９５８年、世界アマはオールドコースで行っていますが、もちろん土曜日まででした。全英オープンだけは例外なんです」（ＪＧＡ常務理事・川田太三氏）

　全米オープンでも64年までは土曜日が最終日で、１日36ホールの長丁場。「64年の最終日は真夏の炎天下、脱水症状でふらふらになりながらケン・ベンチュリーが優勝しましたが、命の危険性もあるということで、次の年から日曜日に18ホールやることになったのです」（川田氏）

　どの国でも宗教的戒律が薄れてきたが、ブルネイのようにいまだ敬虔な宗教国もある。世界は広い、ということか。

　


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