昨年暮れから今年正月にかけて、石井哲雄、佐々木久行という2人の歴代日本プロ選手権タイトル保持者の訃報が――。
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佐々木久行は95年の日本プロの覇者だった
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佐々木久行がタイの首都バンコクで客死したとの第一報は1月3日、偶然、同地に滞在していた合田洋から入った。同行の友人が朝になっても起きて来ないため様子を見に行きベッドで倒れている佐々木を発見。死因は心不全だった。
佐々木と合田はともに64年生まれで、プロ入りも同期の84年。合田が94年日本プロで優勝すると、同年の日本シリーズで佐々木はツアー初優勝。さらに翌95年の日本プロを制した。2人は互いに切磋琢磨する親友同士だった。
その95年、中国で開催されたワールドカップに2人はペアを組んで出場。その経緯を合田は語る。「僕に出場権があって、相手を選べたんです。それで久行を指名しました。あれが久行が世界に出て行くきっかけでした」
コース記録となる62をマークする佐々木の大活躍で日本チームは3位。個人戦では米デービス・ラブⅢとのプレーオフに敗れ2位になったが、会場となったミッションヒルズでは、それにちなみ場内の和食レストランは「SASAKI」と命名された。
その年末、米Qスクールを15位で突破した佐々木は96年には日米両ツアーを転戦。アメリカでのシード獲得とはならず、97年からは国内に専念し、同年の静岡オープンでツアー3勝目を挙げた。
享年48。「日本プロ優勝の資格で、50歳で全英シニアオープンに出られるので、一緒に行こうと話していたのに……」と、合田はここ数年試合にも出られなかった親友の早すぎる死を惜しんだ。
また昨年12月26日に肺炎のため亡くなった石井哲雄は51年の日本プロ優勝者。指導者としても、谷口徹、田中秀道を育てた名伯楽だった。85年に日本プロスポーツ功労賞。00年には文部科学大臣顕彰を受賞。享年88。2人のご冥福をお祈りする。
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