ジョン・デーリーが……、と書くと、すわ、またなにか事件! となるところだが、今回は"普通"のできごと。デーリーのサインが入ったカクテルが3種発売されたというお話。
発売元はアーノルド・パーマーが経営する会社。パーマーの姿の入ったラベルでウイスキー、ワインなど販売し、売り上げも年間1億ドルを超えるという。今回のデーリーの名の入ったカクテルはスイートティ、ピーチ、ラズベリー味レモネードの3種。
酒といえばデーリーは、アルコール依存症で何度もツアー出場停止になるほどの事件を起こしてきた。ざっとその波乱の半生をたどると──。
91年、補欠出場で全米プロに勝ち、94年には全英オープンも制覇。金髪の独特なヘアスタイルに派手な衣装。超オーバースウィングで300ヤードをかっ飛ばすスタイルにギャラリーは熱狂した。ところがその直後からアルコール依存、暴力、ギャンブルに溺れ、ツアーからも出場停止を何度もいい渡される始末。結婚離婚を繰り返し、現在は4度目。泥酔して寝ていて死体と間違われ、警察沙汰になったことも。スポンサーもその都度離れたが、一念発起、暴飲暴食を防ぐために胃の一部を切り取り、1年で45キロ減量。飛行機嫌いも返上し、欧州、アジアへも遠征している。現在、米ツアーにも復帰し、断酒敢行中なのだが、そのデーリーがなぜ、酒を?
「街の酒場が面白がって勝手にオレの名前を使って酒を売っていて迷惑していたんだよな。ならばちゃんと名前を出して売り出せば、逆に俺が断酒中ということをアピールできると思ったんだ。それにシャレてるだろ」とデーリーは動機を話す。波乱万丈の人生。再び、勝利の(アルコール抜き)美酒に酔うことができるか……。
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