先日の衆議院予算委員会で飛び出した安倍晋三首相の経済対策の答弁を聞いていたゴルファーはちょっと驚いたかも。というのも、アベノミクスをゴルフで説明していたからだ。
これは、同じ自民党の伊藤達也議員の質問に答えたもの。「ゴルフでいえば、グリーンの後ろに崖があるような妄想にとらわれて、バンカーでパターばかり打っているから結局グリーンに乗せられない。いま持つのはサンドウェッジだ」と首相。
これまでの腰の引けた消極的金融政策(バンカーでパターを持つこと)が、長期的なデフレを生んだとして、正当な積極的策を「バンカーでサンドウェッジを持つこと」と表現したのだ。ゴルフを知らない人は、「何のこっちゃ?」と思ったに違いないが、ゴル
フを知悉している本誌読者なら、よく理解できるたとえであったろう。その証拠に議員たちのあいだから小さな歓声があがり、「そ
うだ、そうだ」と頷く姿が散見された。
こんなゴルフのたとえ話がサッと出てくる安倍首相自身の“ゴルフ度”を改めて調べてみると……。
安倍内閣発足時に公開された資産のなかには地元の名門、下関GCなど8コースの会員権が含まれている。「スコアは悪くても80
台の後半。よければ70台で回っていますよ。以前、東京よみうりで前の組で回っているのを見ましたが、難しい8番でチップインバーディを決めていました」とは首相の母校・成蹊大学の先輩でゴルフ場元支配人。政権奪取前まではゴルフ場経営者たちの団体、日本ゴルフ事業協会会長を務め、利用税撤廃の先頭にも立っていた。
かつて、土壇場の最終日18番でバンカーからパターを持って日本プロに勝利したプロもいたが、さて安倍首相の宝刀サンドウェッジ、ザックリやホームランにならないことを祈るばかりである。
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