過日、安倍晋三首相が国会で「アベノミクス」についてサンドウェッジで説明したが、日米首脳会談ではパットの話が飛び出した。
TPP(環太平洋経済連携協定)を議論する前、安倍首相は1本のパター(※週刊ゴルフダイジェスト3/19号巻頭カラーページでも紹介の山田パターの1本)を手土産としてオバマ大統領にプレゼント。ゴルフ好きの大統領にメイドインジャパンのパターを贈り、アピールと融和を図ったのだろうが、これには伏線もあった。
首相の祖父である岸信介元首相が、米アイゼンハワー元大統領と親善プレーをして、日米安保条約締結にこぎつけた1957年、帰国時にはクラブも一式贈呈されている。このエピソードを披露した首相に大統領は「どちらが勝ったのか?」と質問。首相はすかさず「国家機密だ」とジョークで応じた。大統領がニヤリとすると、首相は「Get in the hole! Yes,we can(カップにぶち込め! 我々ならできる)」。いうまでもないが、「Yes,we can」はオバマ大統領のキャッチフレーズ。
「ジョークといい、オバマのキャッチフレーズを逆手にとるフレーズといい、祖父のエピソードといい、今度の“ゴルフ外交”は安倍首相に座布団1枚でしたね」(ゴルフ評論家・岩田禎夫氏)。
ところで、両首脳のゴルフ度はというと──。
オバマのゴルフ好きは有名で、1期目就任以来1年5カ月で32回ラウンド。これはやはりゴルフ好きだった前大統領ブッシュより8回も多いという。今年は「大統領の日(プレジデンツデー、2月第3月曜日)」の休日を利用して、フロリダでタイガー・ウッズとプライベートラウンドを楽しんだ。その前日にもタイガーの元コーチ、ブッチ・ハーモンにラウンドレッスンを受けたそうだ。通常はワシントンDC近郊のアンドリューズ空軍基地のコースでプレーし、警備上の問題もあるので民間コースでは、ほとんどラウンドしないという。
一方の安倍首相。会員権は地元下関CC、東富士CC、鎌ヶ谷CCなど9カ所。しかし日本のトップは米国ほど大っぴらにはラウンドできないようだ。直近では今年正月3日、昭恵夫人の関係する(父親は森永製菓元社長)森永高滝CCで親類、秘書官らとラウンド。1期目療養中(平成19年5月)以来のゴルフだったそうで、腕前のほどは90を切るくらいだという。
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