ボール、クラブでは国内トップシェアを誇るダンロップと、シューズで有名な国内ブランドのアシックスが業務提携した。その裏側を探ってみると、止むにやまれぬ理由があるようで―。
この業務提携、ゴルフシューズに限定したものだが、高い商品開発技術力はあるもののアシックス側には販売力に難があった。一方、シューズ売上ではダンロップは国内下位に沈むが、直営店など販売網に優れる。両社のウィークポイントを補って利害が一致したという。「お互い神戸に本社があり、モノづくりを大切にするという社風も似ており、私から持ちかけました」(アシックス代表取締役CEO、尾山基氏)
しかし、この提携の主な理由は“外圧”によるものだとは両社経営陣も認めている。国内でのシューズシェアは外資で総合スポーツメーカー、アディダス、フットジョイとの両社で50%を超す。また3位のナイキも9%と、いわば外ブラに蹂躙された形。しかもこれらの外ブラ、資力にものいわせ、細る日本のゴルフ市場に攻勢をかけ続けている。このままじゃ座して死ぬしかない……と思ったのかどうか、提携にこぎつけたようなのである。
「強力な外ブラに対抗するためには、業務提携でも資本提携でもやらざるを得ない状況だと思いますよ」(用具ジャーナリスト、河北俊正氏)
具体的には7月のダンロップ展示会でアシックスの靴を展示。現在国内売上2億円を2016年までに10億円に伸ばそうとの思惑がある。第2、3の提携話もあって、今回のケースが試金石になりそうだ。
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