ビジェイ・シンが今年初旬、鹿の角を成分としたスプレーを使用し、ドーピング問題に発展した。その後、米ツアーは90日間の出場停止措置をとったが、このほどそのドーピング自体を不問にすると発表した。
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怒れるシン
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鹿の角粉末には筋肉増強作用がある少量のヒト成長ホルモンが含まれているが、米ツアーが世界反ドーピング機関(WADA)に確認したところ「禁止薬物検査で陽性を示さない限り、スプレーの使用自体は禁じられていない」との通達を受け、同ツアーはシンの処分を撤回した。
その直後、シンは「反ドーピング要綱の軽率な管理と適用」により名誉を棄損されたとして米ツアーを提訴したのだ。「米ツアーは僕を不公平に扱った。スプレーが運動能力を向上させる可能性はないことはわかっていたはず」と語気荒く語ったという。
またグレッグ・ノーマンが「紳士のスポーツであるゴルフのドーピング検査は尿検査は相応しくなく、血液検査にすべきだ」と発言していて、ゴルフ界のドーピング問題はここへきて再燃しそうなのだ。
一方、日本のドーピング対策はどうなっているのだろうか。JGTOは「09年から予告なしに検査を始め、今も継続中。昨年はBSトーナメントで実施しました」(JGTO広報)。
JGA(日本ゴルフ協会)では「日本オープン、日本アマ、日本女子オープン、日本女子アマの4試合ではランダムに選手を選んで検査を実施しています」(JGA事務局)
LPGAは「対策としてはセミナーを開講したり、ハンドブックを配布して啓蒙に努めています。使用可能な薬のデータも通知。検査は数試合、抜き打ちで実施しています」(LPGA広報)
国内ではどの団体でもまだ違反者は出ていないという。
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