週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 6/11

2013/6/4更新

ベが「お先に！」米初勝利。
目指すは金メダルで兵役免除

　一昨年の日本ツアー賞金王ベ・サンムン（26）が米ツアー２季目にして初勝利を挙げた。参戦の２年間を振り返ると……。

　苦戦を強いられている石川遼に「お先に！」とばかりバイロンネルソンで全米プロチャンプのキーガン・ブラッドリーを退け、栄冠に輝いたベ。「米ツアーで勝つことをずっと夢見てきました。まだ信じられません。どういうふうに喜んでいいのやら」と戸惑いながら、満面の笑みで特大のトロフィを掲げた。韓国、日本、アジアですでに11勝の実績を持つベにとっても米ツアーでの勝利は格別。４日間で１２０万ドル（約1億2千万円）を稼ぎ出したのだから夢心地に違いない。

　Ｑスクールで上位に入り米ツアーデビューした昨年、序盤戦からたびたび上位に顔を出しアクセンチュアマッチプレーではベスト８進出。参戦わずか８試合目のトランジションズではプレーオフ進出。残念ながら当時世界ランク１位だったルーク・ドナルドに敗れ２位タイに終わったが、米ツアーに通用する実力のあることを見せつけた。

　中盤以降やや苦しんだが賞金ランク96位に入ってシード権を死守。今季も初優勝候補に挙げられていた。

　優勝インタビューで流暢な英語を操ったべはハングル、英語、日本語を操るトリリンガル。日本の報道陣の顔を見ると「もう日本語は忘れちゃいましたよ（笑）」と茶目っ気たっぷりに語るが、それはジョークで、いまでもぺらぺら。「今日は遼くんがいないから、僕のところに（取材に）くるんでしょ？」と笑わせることも。

　そんなベの今後の目標は３年後のリオ五輪に出場し、金メダルを獲ること。実はベ、アジア大会金メダルで兵役を免除されているキム・キョンテとは違い、このままでは兵役に赴かなくてはならない。それを回避し米ツアーでプレーし続けるためにも金メダル獲得が至上命題。初勝利に甘んじている場合ではないのだ。