先月25日、IOCは2020年夏季オリンピック立候補地の「評価報告書」を発表した。ゴルフが正式種目のこの大会、東京都はゴルフ会場を霞ヶ関CCに指定しているが、コースの評価はいかに。
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霞ヶ関CC
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今回の評価書では優劣が判定できる評価点などの記載がなく「どの都市にも長所があり、計画は高水準にある」という横並び評価。
この〝曖昧査定〟の背景には、やはり、トルコの政情不安の影響があるようだ。イスラム圏初の五輪開催地として本命視されていたイスタンブールは国民の支持が最大のアピールポイントだったが、5月末から始まった反政府デモは拡大を続け、市民の多くは「もはや五輪どころではない」というのが本音。カディル・トプバシュ市長も「このままでは五輪は夢と消える」と弱音を吐き始めた状況だ。
IOCの評価報告書は、トルコの政情には触れていないものの、暗にイスタンブールでの開催に懸念を示しており、特に問題視しているのが、実はゴルフだという。コース建設予定地とされているエセンラークラスターは一般人が近づくことができない軍の訓練地。報告書には「改善が望まれる」といった内容が明記されているのだ。
一方の東京は、85%の競技会場と70%のトレーニング施設が8キロ以内と近場にあり、利便性が高いと好意的な記述。ゴルフに関しても、都内からやや距離がある霞ヶ関だが、交通手段などの観点から問題なしというニュアンスだ。
ライバル、マドリードのゴルフ場はなぜか今回の評価報告書には記載がない。ゴルフ会場だけで見れば、東京圧倒的有利なのだが……。最終プレゼンは今週3日、4日。決定は9月になる。
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