今年の全英オープンは昨年に比べ、出場者枠のカテゴリーが厳しくなり、日本ツアーからの出場枠も繰り下がりが減るなどの変更があった。大会前、「最近日本人選手の活躍が少ないので減らされたのでは?」との見方もあったが、ふたを開ければ今年も8人出場で予選通過は2人。心配が的中するような結果になってしまったが……。
そもそもなぜ、今年は出場枠を制限したのか?「昨年は161人の選手が参加しました。幸いキャンセルなどが出て通常どおりの156人に収まりましたが……」(R&A常務理事・ピーター・ドーソン氏)。
そこで特別招待選手枠を減らすいくつかの案が出され、今年の出場者は156人に。日本では、これまで賞金争い1、2位の選手が他の枠で出場できるなら、ほかの選手に繰り下げが認められたが、それがなくなった。それでも8人が出場し、他国からは「日本選手は優遇されすぎ」の声も。しかも予選通過は松山英樹と片山晋呉のみ。
"日本厚遇" についてゴルフ評論家岩田禎夫氏は「主催のR&Aが日本に好意的だというのは以前からいわれていました。日本はルール制定でもUSGAではなくR&A傘下ですし、(スポンサーを募って)全英オープンを広めた電通への感謝という部分もあるでしょう。松山が初日、フィル・ミケルソン、ローリー・マクロイら大物と回ったのも中継局(テレビ朝日)の希望が通ったのでは」と話す。
とはいえ予選落ち6人。丸山大輔は「俺じゃ無理。ここでうまくやれる気がしない」、久保谷健一は「自分のいいところがひとつも出せなかった」と肩を落とす。藤田寛之は「このままじゃ出場枠が減らされそうな雰囲気」と危機感を口にしたほどだ。
しかし、JGTOの山中博史専務理事は、今回の結果について「確かに予選通過2人は割合的に少ないと思うし、残念。ただこれが枠の削減に直結するかといったら、それはないでしょう」と話す。
来年の会場はロイヤルリバプール。何人のサムライが顔を揃えるだろう。
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