今季最後のメジャー、全米プロを制したのは、2年前同大会のプレーオフで"プロナンバーワン"の称号を逃したジェイソン・ダフナーだった。
1番ティから18番グリーンまで終始ポーカーフェースを崩さなかったダフナー。ウイニングパットを沈めた瞬間だけはさすがに小さなガッツポーズを見せたが、これほど感情を表に出さないチャンピオンも珍しい。
「野球のホームランとか、大男がぶつかり合うフットボールとかだったら僕だって興奮するけど、ゴルフって退屈なスポーツでしょ? フェアウェイをとらえるか外すかなんかに、いちいち興奮していられないよ。ゴルフをしているときの僕は、ほぼフラットな精神状態なんだ」
初のメジャー獲りに成功してこのコメント。われわれが想像する"勝負師像"とはちょっと違っているようで……。
当年とって36歳。同世代の今田竜二とは下部ツアー時代から親友。ゴルフを始めたのは15歳だが、大学1年ですでにオールアメリカンに選ばれている。
下部ツアーでの下積みを経てレギュラーツアーに昇格すると、11年にフェニックスオープンと全米プロでプレーオフに進出するも敗退。昨年、遂にチューリッヒクラシックでツアー初優勝を飾るとバイロンネルソン選手権も制してトッププロの仲間入り。
2年前の全米プロでダフナーを下したキーガン・ブラッドリーは今回、一旦は帰路についたが親友が勝ちそうだと知り急遽空港からUターン。18番グリーンわきで勝利を見届け熱い抱擁で祝福した。
「ダフナーは生涯の友! ショットは最高に上手いし、あのプレーオフが縁で僕らの間には一生切れない絆ができたんだ」(ブラッドリー)
無愛想に見えてプロ仲間の評判は上々。なんとも不思議なチャンピオンが誕生したものだ。
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