プレーオフシリーズで2勝を挙げたヘンリク・ステンソンがタイガーを逆転し、欧州勢初の米男子ツアー年間王者(フェデックスカップポイント)に輝いた。スウェーデン出身の伊達男、ステンソンの波瀾万丈の人生とは。
年間王者のボーナスは1000万ドル(約10億円)。優勝賞金と合わせじつに11億円強の大金を掴んだステンソン。「不屈の闘志を見せつけることができたね。でも正直こんな結末は自分でも想像していなかったよ」とニューキングは感慨の面持ちで喜びを口にした。賞金王こそ年間5勝を挙げたタイガーに譲ったが、ステンソンは成績をポイントに換算して争うフェデックスカップのポイントランキングで1位に輝き、10億円のボーナスを受け取ったというわけだ。
「パーティ好きで皮肉屋」を自負する37歳は、いまから4年前(09年)に第5のメジャー、プレーヤーズ選手権に勝って世界ランクトップ5に上り詰め「タイガーなんて怖くない」など過激な発言で注目を集めた。ところがその後、スポンサーだったスタンフォード・ファイナンシャルの巨額詐欺事件に巻き込まれ8億円の損失を出すなど公私ともにトラブル続き。ケガや体調不良も伝えられ、12年のはじめには世界ランク230位に転落し再起不能説も流された。
しかし昨年末の南アオープン(欧州ツアー)で復活優勝を飾ると、今季はメジャーで度々優勝戦線を賑わし、全英オープンで2位、全米プロで3位。尻上がりに調子を上げ、終盤で一気に2勝し世界ランク4位に返り咲いた。
かつて池からウォーターショットを打つ際「ウェアに泥が跳ぶのがイヤ」とパンツ一丁になってヒンシュクを買ったことも。また、プレーオフシリーズ第3戦のBMW選手権では自らの納得のいかないプレーに怒り、木製ロッカーを破壊する暴挙も。
それでも終わり良ければすべて良し? 詐欺に遭った8億円も今回のボーナスで穴埋めしてお釣りがきた。破壊したロッカーの修理代を差し引いても収支は黒字。当分笑いが止まりそうもない。
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