日本オープンでは、アダムのシャフトも関心を集めた。「日本には入っているの?」と。
スコットが使っていたのは「KUROKAGE」。米国三菱レイヨンが開発したシャフトだ。米国では1年以上前にデビューしているが、昨年夏頃にローリー・マキロイが使い始め、今年に入ってメジャー連覇したことで広く知られるようになった。スコットが使い始めたのは夏頃で、現在の世界ランク1位、2位に加えて、松山英樹も開幕から使っているとなれば、どうしたって気になるところ。
マキロイ、アダム、松山の合言葉は「KUROKAGE」
スコットは「タイトリスト915Dのヘッドと、このシャフトとV1xボールのコンビネーションで、約13ヤード飛距離が伸びた」と言っているほどだ。
「基本的にはディアマナやフブキの延長上にあるアスリートクラス対象のオールラウンド型です」(三菱レイヨン)
スコットやマキロイが使っているのは70グラム台の「TiNi70XTS」というモデル。松山はそれより重い80グラム台。「TiNi」は先端部にチタンニッケルを使って剛性を上げているという意味。「その分手元が柔らかめで、しなり方はとてもオーソドックスだし、ヘッドコントロールもしやすい。ヘッドの重心距離と深度のバランスは極めてオーソドックスになっているので、それにうまくマッチするということでしょうね」(クラフトマンの鹿又芳則氏)
週刊GD連載「ゴルフギア探検隊」の児山和弘氏も「悪く言えば淡泊、良くいえばクセがないシャフト」という。
「ひと言でいうなら、動きが少ないシャフトです。たとえば先が走るスピーダーとかダブルキック系のツアーADなどに比べると動きが少なく、自然にしなる。マキロイやスコット、あるいは松山にしても、スウィングはもともとしっかりしているので、シャフトに勝手に動いてほしくない、よけいなことをしてほしくないということからこれを選んでいるのでしょうね。基本的には飛びよりも安定性重視のシャフトです」(児山)
世界のトップが使っているとなればぜひ試してみたいところだが、今のところ日本での発売は検討中ではあるが、まったく未定だそうだ。ただし並行輸入品なら扱っているショップがあるし、クロカゲを装着したドライバーも日本で買える。米国でも決して高くはないシャフトだが、日本ではシャフト単体でシルバー1本1万円程度(工賃別)、クロカゲシリーズ(ナイキオリジナルのレッド)が装着されたナイキVRSコバート2・0ツアーは3万円弱、VRSコバート2・0なら2万円弱(ジーパーズ新橋店)。とりあえず、このあたりで打ち味を試してみるという手もあるぞ。
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