本誌記事『倉本昌弘が五輪コースに異議あり』(10月14日号)に端を発した、2020東京五輪のゴルフ会場をめぐる問題を振り返ってみたい。
倉本昌弘も疑問を提起した
東京誘致にあたり、東京都がIOC(国際オリンピック委員会)に13年1月に提出した開催計画には霞ヶ関CC(埼玉)とあった。だが、それに疑義を抱いたのが日本プロゴルフ協会会長の倉本昌弘。12年2月にIOCに出された申請ファイルでは、若洲GL(東京)だったからだ。
若洲は、家庭からの廃棄物で埋め立てられた造成地を整備したシーサイドコースで、選手村から直線距離で4キロという好立地。東京五輪が掲げる「コンパクトなオリンピック」にふさわしいといえる。
ほかにも「ゴミを埋めたてたコースは、エコで世界にアピールできる」「東京都が所有するコースなので、関連施設を作れば恒久的に都民やゴルフファンが使える」などと若洲開催の利点を訴える。
その後、10月に開かれた「第1回日本ゴルフビジネスフォーラム」に永田圭司氏(JGA専務理事)、原口豪氏(霞ヶ関CC副理事長)らが出席。経緯が明かされた。
永田氏によると、IGF(国際ゴルフ連盟)やJOC(日本オリンピック委員会)と協議し、以下の4条件で候補地を選ぶことが決定した。
①国際競技の開催実績がある(7000ヤード超)、②36ホール以上ある、③晴海から50キロ以内、④1日1万5000人?2万人のギャラリーを収容できる。若洲は①②④に該当せず。霞ヶ関が第一候補に浮上したという。
だが、この問題は国会でも取り上げられるなど、来年に先送りされそうだ。
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