日本中が感動した宮里優作の涙のプロ初優勝。その陰にコンビを組む杉澤信章キャディとの"3カ年計画"があった。
杉澤は、当初から「優作を強くする3カ年計画」の青写真を頭のなかに描いていた。米ツアーで日本人最多の通算3勝を挙げた丸山茂樹の全盛期にキャディを務めた彼は、自らの使命を「優作の心のなかに丸山イズムを注入すること」だという。
アマ時代から優作のスウィングは美しく球も飛ぶ。だが、なぜか勝てない。
例えばぎりぎりで予選を通ったときあっさり「消化試合にしてしまう」傾向があった。だが、たとえ優勝は無理でも最後まで諦めず粘るのが"丸山イズム"。「ここで気を抜いたら次の試合に差し障る」と最後まで全力を尽くしたもの。
泥臭く粘るのではなく、カッコいい球できれいなゴルフをするのが優作流。そのゴルフ観に対し杉澤は、「アレルギー反応を抑えながら、お互いの考え方をすり寄せて」優作の心に新風を吹き込んでいった。
涙の優勝は杉澤の手腕によるところも大きかっただろう。だが彼はいう。「杉ちゃんのお陰なんて言われるうちはまだまだ。優作はもっともっと強くなれる。そのために自分も強いキャディにならなきゃ。1勝が目標じゃない。やっとスタートラインに立ったばかり」
「ラインに立ったばかり」14年は3カ年計画第2章のはじまりだ。
【関連記事】
2013/12/31 ゴルフ界の七不思議って知ってます?
2013/10/22 宮里三兄妹が使ってる。あのドライバーの正体は?
2013/7/9 "大"後輩松山に続け!?宮里優作が12年目の初勝利
|