閉鎖を決めた三州CC(鹿児島県曽於市)で会員有志が存続運動を展開。オーナーと交渉し、行政を動かして自ら譲渡先を探したり、自主営業を試みたりしたのだが、結果は……?
経営難を理由に閉鎖が決まったのは昨年11月。跡地にはメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設するという説明だった。「守る会」副代表の栫井(かこい)敬志氏によると、「年間数千万の赤字が続いているという話でしたが、我々が計理士と試算したら、運営次第で年間3000万円の黒字になると出た。オーナーからは売却にも応じるといわれたので、市も巻き込んで譲渡先を探したのです」
守る会に呼応して市も一緒に動いたのには理由がある。「三州CCは市内唯一のレジャー施設であり、税収的にも雇用先確保の面からも大きい。仕事の少ない地方にとってゴルフ場従業員60名の雇用機会が失われることは、過疎化防止の観点からも見逃せないのです」(曽於市企業誘致推進係長・諸留貴久氏)
オーナーの了解を得て会員有志で完全セルフの仮営業を行うなど、存続運動を展開したが、それも1月末で終わりを迎える。
「メガソーラーは20年後に廃墟になる。お金には代えられないと必死に引き受け先を探したのですが、残念ながら無理でした」(栫井氏)
一方、オーナー側は預託金の全額返金に応じるそうで、「それなら閉鎖で納得」という意見も会員の半数近くあり、存続で一枚岩になれなかったことも事実。ゴルフ場のメガソーラー転用は近年、増え続けているだけに、会員権を持つゴルファーにとっては他人事とは思えない話だった。
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