ソチ五輪でメダルが期待されるスピードスケート。その選手がレースで着用するスーツに、ゴルフボールが活用されていた。どんなものなのか。
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スーツの背中部分。ドット上の突起が施されている
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最高時速50キロ以上で100分の1秒のタイムを競うスピードスケートでは、選手の体の表面に生じる空気抵抗をいかに減らすかがタイムアップのカギとなる。
ミズノが提供する、スピードスケート日本代表用のレーシングスーツは、生地の縫い目の一部が盛り上がっているほか、生地と生地の間にドット状の樹脂が埋め込んであり、選手が着用するとそのドットが表面に浮き出てくる構造になっている。このスーツ表面の突起が、高速走行時に空気の流れをコントロールして空気抵抗を小さくし、タイムを縮めるのだという。
実はこの技術、ゴルフボールのディンプルから生まれているという。「ディンプルは、高速回転するボールに揚力を与えると同時に空気抵抗を減らし、最後までスピンを維持することを目的としています。凹凸の違いはあれど、この空気に対する〝低抵抗〟こそが両者の共通点です」(ミズノ広報担当)
じつはこの技術、スキージャンプ用では高梨沙羅以前のスーツにも活用されていたという。「ただジャンプ競技はスーツの素材や形状への規制が厳しくなったことで現在は使われなくなりました」(同)
金メダルが期待される加藤条治や長島圭一郎らが出場するスピードスケート男子500メートル決勝は2月10日。大会期間中、ディンプルに着目して観戦するのも面白そうだ。
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