女子ツアー開幕戦の舞台である沖縄は、普天間から辺野古への基地移設問題でも揺れている地である。米軍は"世界の警察"を誇示するかのように、自国以外にも海外に多くの基地を配しているが、その多くの基地にゴルフ場があるのはなぜ?
世界の分布で見れば、約200カ所のコースがある。多いところではドイツに6カ所、韓国に7カ所。そして日本にも10カ所(三沢、多摩、横田、厚木、座間、岩国、沖縄4)にある。ゴルフ場は、米軍の基地の数とほぼ一致している。
なおかつ陸・海・空軍それぞれの基地内にあるのは、ほとんどが18ホールのチャンピオンコースと呼びたくなるような立派なゴルフ場だ。ただ、狭い国土でもさらに平野の比率が低い韓国では、さすがに18ホールのコースは2カ所で9ホールが4カ所。驚くべきはパー3の1ホールしか備えない基地まであるが、そこは北朝鮮と韓国を分ける非武装地帯の近く。世界でもっとも危険なコースといわれるゆえんだ。アメリカ軍のゴルフへの執念さえ感じられる。
その伝でいえば、激戦地、イラクではモスール高地にいくつかのホールを設えたし、地雷に囲まれた場所でもコースを運営している。
「ゴルフ場は、ストレスの多い状況時、あるいは休息時に、兵士の士気と戦闘即応性を維持するために必要不可欠」と海兵隊コミュニティー・サービス・プログラムにある。
沖縄のキャンプ瑞慶覧内にあった泡瀬ゴルフ場(沖縄で初のコース)で、日本人初の会員だった作家・伊佐千尋氏は、伍長であったリー・トレビノとここでよくラウンドし、19番ホールで酌み交わしたという。「基地ではPT(フィジカル・トレーニング)デーが週に1日あって、つまり体育奨励だが、そのなかでもゴルフ熱がいちばん高かったんじゃないかな」(伊佐氏)
基地とゴルフ場はやはり切ってもきれない仲のようだ。
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