2年ぶり2度目のマスターズ制覇を果たしたバッバ・ワトソン。かつて「飛ぶけど勝てない」の代名詞だった男とは、まるで別人のようだ。彼の魅力といえば、圧倒的な飛距離。バッバの飛ばしについて考えてみた。
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グリーンジャケットの似合う男
2年前は自宅で留守番していた妻子と熱い抱擁を交わし、喜びを爆発させた
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飛ばしの秘訣は「怒りの一撃だ!!」。
同伴プレーヤーのジョーダン・スピースが思わずキャディの顔をガン見して呟いた。「いったいいまのはなんだったんだ!?」
13番パー5でバッバが放った366ヤードのビッグドライブのことである。松林の真上に消えた打球を見てスピースは「OBだと思った」というが、それがフェアウェイの残り140ヤード地点をとらえのだから衝撃的だ。今後語り継がれるであろう〝伝説の1打〟以外もバッバは凄かった。大会中305ヤードの平均飛距離はもちろん1位。そこで素朴な疑問。何でそんなに飛ぶの?
「ハハハ。飛ばしには色々なタイプがあって、たとえばダスティン・ジョンソンは腰のキレで飛ばすけれど、自分は身長(191センチ)を活かして大きなアークで飛ばすだけさ」
コツは右足のつま先を開いてフォローを極限まで大きく振り抜くこと。
「タイガーと一緒に練習ラウンドを回る機会が結構あったんだ。で、彼がここぞというとき左足のつま先を45度に開くのに気づいた。『それ、飛ばしたいから?』と聞いたら『そうだ』って。タイガーにならって自分もいざというときは(レフティだから)右のつま先を開いて思い切って右に振り抜いている」
「さらにもうひとつ、メンタル面でやっていることがあるという。「いい球を打とうと思うんじゃなく、前のホールがボギーだったと思って悔しさを込めてぶっ放すのさ!」
えっ、それどういう意味?
「バーディの次のホールよりボギーの後のティショットのほうがうまくいくと思わない? 怒りの一撃のつもりで打ったほうが絶対飛ぶから試してみてくれ」
逆転の発想がモンスター級の飛距離を生んでいたとは……。バッバ恐るべし!
アルバトロス4回!いたぞ日本のバッバ
バッバのような〝左の飛ばし屋〟は日本にもいないのか? 日本レフティ協会に聞いてみると……、いたいた!
アルバトロス4回という飛ばし屋の勲章を持つ男が。
その御仁、三島繁文さん(48)。06年のレフティ世界大会優勝の実績を持つ。172センチ、ヘッドスピード52メートル/秒で、平均飛距離は290ヤード。「いままでアルバトロス4回で、最近では福岡レイクサイドCC14番340ヤードのパー4で、ティショットが直接入りました。パー5なら550ヤードまでならいつも2オン狙いです」(三島さん)
バッバのようにカラードライバーで飛ばしたい!
バッバといえばピンク色の1Wも気になるところ。
「2年前のマスターズ優勝のときには限定5000本で販売しましたが、今回はその予定はありません」(バッバが使うピンの広報担当)
色つき1Wを売るメーカーはナイキ(赤)、コブラゴルフ(レディスモデルも含め8色)のほか、ホンマのベレスドライバーはヘッド14色、シャフト11色から選べるセレクトオーダーシステムがある。また、ヘッド塗装を行う工房(下表)なら好きな色に変えることも可能。
そういえば、先日の米女子メジャーを制した飛ばし屋、レクシー・トンプソンもコブラの水色ヘッドだった。ゲンを担いでみたくもなる!?
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