今月にホンマの「ヴィザードⅠ」、2月に三菱レイヨンの「OTアイアン」など、今年はアイアン用カーボンシャフトのニューモデルが次々と登場する。これまでとちょっと違うのは、軽量スチールとほぼ同じ重量帯で、しかも1本1万円前後と安いことだ。NSプロに代表される軽量スチールを脅かす存在になり得るのだろうか。
「背景には昨年発売されたフジクラのMCIの高評価がある」と分析するのはクラブコーディネーターの鹿又芳則さんだ。
「MCIは手元のしなやかさと先端剛性のバランスがよく、軽量スチールからスムーズに移行できるため、アマチュアに好評だった。これで市場ニーズがあることがわかり、他のメーカーも進出してきたということがあると思う」
重量は「OTアイアン」が80グラム台と90グラム台。「ヴィザードI」が50グラム台、60グラム台、70グラム台の3機種。メーカー希望小売価格は前者が1万円(メーカー希望小売価格・税別=以下同じ)、後者が1万2000円。ちなみにMCIは50グラム台から120グラム台まであって1本8000円から1万2000円だ。同じような重量帯、価格帯のモデルとしては他に、グラファイトデザインの「ツアーAD」やUSTマミヤの「アッタスアイアン」などもある。
「かつて、カーボンシャフトは軽いのが命といわれたけれど、現在は単に重量だけではない。設計の自由度という点ではカーボンのほうが高く、ヘッドの変化や進化に合わせやすい。たとえば最近ではストロングロフトのアイアンが多くなっていますが、カーボンシャフトならミドルアイアンあたりでもボールが上がりやすいし、芯を外したときの許容度の広さでもカーボンに分がある。芯を外しても球質の変化が小さいのがカーボンのメリットです。その上、1本1万円前後なら、特にアマチュアにとってはメリットは大きいでしょうね」
しかも最近はアイアンセットといっても5本程度が一般的なので、1本1万円前後なら手が出ないほどでもない。おまけに、「スチールに比べるとカーボンは換えたときの結果が出やすく満足感が全然違う」そうだ。
こうしたことから見ても、軽量スチールとほぼ同じ重量帯で価格的にも1本1万円前後のアイアン用カーボンシャフトが今年、注目のアイテムになる可能性は大きいという。
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