日本でも話題になった大韓航空副社長が引き起こした"ナッツリターン事件"。財閥3世令嬢の傍若無人にも驚かされたが、それに付随して明らかになった韓国の経済構造も驚愕。なるほど、だから、世界を席巻する最強韓国プロたちは、世界で戦うのだ。
大韓航空の系列の韓進グループをはじめサムスン、LGなど10大財閥に係わるのは総人口の7%に過ぎないのに、その10大財閥だけで韓国のGDPの75%を占めるというのだ。極論すれば、国民の93%が残った25%のパイを奪い合っているわけだ。世論調査会社の韓国ギャラップ社が13年に実施した統計によると、「社会・経済・政治的な不安を理由に韓国人の5人に1名が移民を真剣に考える」そうだが、国内に限界を感じた韓国人が活路を求めて海外に飛び出す理由もわかるような気もする。
実際、ゴルフ界でも韓国系移民の台頭が目立つ。世界2位のリディア・コー(17)や昨年末プロ転向したアマ世界一のミンジ・リー(18)などが端的な例だろう。証券会社の支店長だったリディアの父は、5歳で才能の片鱗を見せた娘により良いゴルフ環境を与えるべく、娘が6歳のときに一家総出でニュージーランドに移住しているし、ミンジの母はティーチングプロとして働き場を求めて夫とオーストラリアのパースに移住した。
移民ではないが、11歳でアメリカにゴルフ留学した世界1位のパク・インビも同様だ。その武者修行を支えたのは、妻や娘と離れて単身で韓国に残り、ペットボトルのラッピング工場を営みながら仕送りを続けた父だった。
子供の教育のために妻や子供たちだけを海外に送り、自分は韓国に残って働きながら生活費を送る父を韓国では「キロギアッパ(雁父)」と呼ぶが、13年の韓国統計庁の発表によると、その数は50万人以上にも及ぶらしい。そのすべてが"ゴルフダディ"というわけではないが、韓国では2000年代に入ってジュニアゴルファーたちの海外留学が急増し、00年代中盤にはオーストラリアやニュージーランドへのゴルフ留学者の数が500名以上に及んだとも言われている。
いずれにしても、移民や留学で海外に飛び出した韓国人ゴルファーたちの台頭は、韓国の社会構造とも無関係ではないだろう。彼ら彼女らが活躍の場を世界に求めるのも、必然の流れなのかもしれない。
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