松山英樹が国内ツアーのシード権を放棄し米ツアー専念を表明した。専念しないと勝ち残れない世界のゴルフ事情。改めて米ツアーのシード権の仕組みをおさらいしよう。
「メジャーに勝ちたい」という目標を達成するためには国内ツアーの出場義務試合数『5』をこなすのは難しい。松山が日本で選手登録をしなかった理由はそれだった。
米ツアーでシードを獲るためには優勝するのが最短。だが試合によってその期間は微妙に異なる。たとえば4大メジャーと第5のメジャー=プレーヤーズ選手権の優勝者には5年シードが与えられる。WGC(世界ゴルフ選手権)、ツアー選手権、A・パーマー招待は3年シード。メモリアルも今年から3年に"昇格"したが、昨年優勝した松山は、その他の試合に勝つと同様にシードは2年。さらに賞金王とフェデックスカップ王者にも無条件で5年シードが付与される。
一方、優勝と無縁の選手にとってもっとも気になるのが1年の賞金シードだ。フェデックスカップのポイントランク125位以内の選手に与えられるが、石川遼をはじめ今後米ツアー参戦を視野に入れる岩田寛らにとって最大の目標となる。
下部ツアー(ウェブドットコムツアー)のQT受験を回避し世界ランクアップを目論む岩田は現在同ランク67位。トップ50入りすればメジャーやWGCなどに出場が可能になる。そこでポイントを稼ぎ125位以内を確保し来季のシード権を掴むのが最善のシナリオだ。
岩田は昨年11月に行われたWGC・HSBCチャンピオンズで3位タイに入り152ポイントを獲得している。これは昨年の実績ではポイントランク182位に当たるため、下部ツアーとの入れ替え戦出場はすでに当確。今後はポイントを上積みするため推薦などでできるだけ渡米するチャンスを作り、その都度ポイントを加算し125位以内に入りたい、というのが本音だろう。
石川遼は一昨年125位以内を逃し下部ツアーとの入れ替え戦行きを余儀なくされ辛くも昨シーズンのシードを獲得しているが、その二の舞は避けたいところ。
シードがあるかないかは選手たちにとって天国と地獄の差。職場を失うかどうかの瀬戸際だけに彼らは目の色を変えて「125」を目指すのだ。
※データは1月13日現在
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