米女子ツアーで賞金女王に輝いたこともあるチェ・ナヨンが、今シーズン新設された15年開幕戦コーツゴルフ選手権で3シーズンぶりに優勝を飾った。実力がありながらこの3年間勝てなかったのには、こんなワケがあった……。
08年のデビュー以来、チェは常にトップを走り続けてきた。同年の新人賞こそヤニ・ツェンに譲ったが、09年に2勝を挙げ、10年には弱冠23歳で賞金女王と平均スコアナンバー1に与えられるベアトロフィの2冠に輝きトッププロの仲間入りを果たした。
さらに12年、全米女子オープンを制しメジャーチャンピオンにも輝いた。
かつて宮里藍が「世界ランク1位のダークホースはチェ・ナヨン。常に変わらず淡々とプレーするところがすごい」といったほど、チェの評価は高かった。
ところが12年の最終戦CMEグループタイトルホルダーズを制してから勝ち星が途切れる。その理由を本人は「周囲の過大な期待が自分を追い詰める結果になった」と打ち明ける。
「たとえトップ10に入っても韓国ではまったく評価してくれないんです。去年は賞金ランク13位で予選落ちは2回しかありません。悪い成績じゃないのに韓国のマスコミやファンは"チェはどうした? スランプか?"と騒ぐばかりで、誰ひとりとして"頑張ったね"といってくれる人がいなかった。」
ベスト10に入っても評価されず、ひたすら常勝を義務づけられる息苦しさに、チェは嫌気がさしたのだ。
「もちろん私のゴルファーとしての才能を信じて期待してくれているのはうれしい。でも過剰な期待を寄せるのはやめてほしい。だってゴルフは毎試合勝つなんてことはあり得ないのだから」
韓国のマスコミやファンからのプレッシャーはさぞやきついことだろう。だがそれを克服し再び"ウィナーズサークル"に還ってきたのは「リオ五輪に出たい」という大きな夢があるからだ。
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