殿堂入りの石井朝夫を知ってるかい?
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2015/3/10号
2015/3/3更新

殿堂入りの石井朝夫を
知ってるかい?

 今年(第3回)の日本プロゴルフ殿堂入りは、石井朝夫、陳清波、杉原輝雄、岡本綾子の4名が選出、顕彰されたが、この顔触れのうち、石井朝夫って誰? と思う人も多いだろう。

91歳の今も矍鑠(かくしゃく)としている石井朝夫

 陳はダウンブローで一世を風靡し、杉原も4年前に没するまではメディアに露出し続けた。また岡本は、小誌連載でもお馴染みでゴルファーならずともその名を知らぬ者はいないだろう。

 石井は1923年(大正12年)生まれ。プロフィールに“川奈”出身と書かれることが多いが、実は間違いで、そう書くと本人から抗議がくるという。事実、今回の殿堂入りで、ホームページにプロフィールを掲載する折り、川奈出身としたら、校正で担当者は怒られた。

「川奈ホテルゴルフコースで修業はしたが、出身は富戸で川奈ではないというのが石井の持論。外からみれば“川奈”に違いはないと思いますが(笑)。プライドが高いんです」と、ゴルフジャーナリストで、殿堂入りの選考委員でもある武藤一彦氏。

 川奈ホテルGCからは30人ほどがプロになっており、その出生地のほとんどは川奈と富戸。

 川奈は米ツアーに参加した杉本英世、年間グランドスラムを達成した村上隆、日本オープンに勝った菊池勝司、中堅だった内田繁らの出生地だが、石井はその勢力に対抗する矜持があったのだろう。

 富戸は川奈ホテルをはさんで川奈と対面する地域。ちなみに川奈出身といえば石井治作、茂、哲雄の石井3兄弟(石井廸みち夫は3兄弟と従弟同士)が有名で、彼らは朝夫と同じく富戸出身。朝夫は3兄弟とは縁戚関係にはない。

 朝夫はプロ初勝利(日本シリーズ)が30歳で遅咲きだった。さらに40歳で開花する。中日クラウンズ、関東オープンなど10勝を挙げ、マスターズへは64年から3年連続で招待されている。シニア入りしてから日本プロシニアを始めタイトルを総ナメにして92年までに17勝。中村寅吉に次ぐ実力者だった。

 ベン・ホーガンの『モダンゴルフ』がバイブル。

「手が上がらなくなったお年寄りのためにどんなスウィングがいいのか勉強しています。私にはゴルフしかないので、命ある限りやっていこうと思っています」(石井)

 
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